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今がサロン見直しの絶好のチャンスです

美容業会も消費拡大に磨きをかけるとき

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 100年に一度の経済不況と言われていますが、日本の消費者は静かなものです。株価が下がったの、正規社員が解雇されたのとマスコミが騒いでいますが、デモもなければ暴動もなく、街へ出れば、オバチャンやオネイチャンたちがワイワイとバーゲン会場を沸かせています。

 不景気な最中にディズニーランドは開園以来最高の人出を記録。韓国や台湾には買い物オバチャンやオネイチャンがどっと遠征しているとのこと。どこか変ですね。

 景気が悪いというのはお金が動かないということです。この大きな原因の一つは、日本人の蓄財額が大きく、お金を使わないことにあるといわれています。

 個人金融資産が1500兆円あり、その75%は60歳以上の人が所有しているそうです。日本の中高年が老後の生活のために常識的に必要と思われる金額をどんどん越えて、どの位ため込んでいるか興味があります。

 NIRA(総合研究開発機構)の調査結果を見ますと、平均で年間の可処分所得(負債を差し引いた額)の4倍の金融資産をもっているそうです。ドイツ、フランスは2倍、イギリス、アメリカは3倍です。

 日本の中高年が蓄財してお金を動かさない理由は、「今後年金はきちんと出るか?」「医療費はどうなるか?」「長生きして生活費が出せるか?」「子どもはあてになるか?」など。将来への不安感からです。マスコミの大騒ぎがなおさら財布のヒモを締め、さらに、貯蓄にはしることでしょう。

 次に物を買わない理由ですが、買いたいものがなくなっていることがあるでしょう。その上、エコロジー志向やカーシェアリングだの、普通車から燃費のいい軽自動車に人気が移ったりしています。

 また、ネットでの古着の交換市場がはやったり、有名ブランドのカバンやバッグがリースされたりもしています。無理に買わなくても生活できるので、買い物は生活必需品だけということになります。

 国もなんとかお金を動かそうと定額給付金を支給したり、高速道路を安くしたり、介護施設や介護福祉士を増やそうとしています。化粧品業界もアラサー、アラフォーの次はアラフィフ(アラウンド フィフティー)と50代からの化粧品に力を入れています。

 美容業界も消費拡大に磨きをかけるときです。中高年の財布を狙いましょう。その知恵を絞りましょう。とにかくお客さまはお金持ちですから。

中高年向け企画はさまざま

1 定額給付金企画を立てましょう
 1万2000円でどれだけオシャレができますか。老人家庭では2万円です。カットしてパーマ、カラー、それだけですか? 給付金は国民への一生に一度のボーナスです。この際ですから思いきって美容室で遣っていただく、あなたのサロンがこれを遣わせないと、蓄財に回ってもっと不況になるわけです。

2 孫と一緒に楽しめるメニューを考えましょう
A おじいさん、おばあさんにとって孫はひとしおかわいいものです。キッ ズメニューはいかがでしょうか。孫を連れた祖父母はカット料金に1000円プラスなど。孫1人に祖父母は4人います。4人の人たちになにか行動を起させることができれば成功間違いなしです。すでに企画しているサロンもあることでしょう。

B パーマは1ボトルで売る。5人用を 4人分使った場合は20%オフにする システムです。親子、孫で使えるボトルキープを成功させた美容室があります。なかには友人を連れてきて、おごってあげるお客さまも少なくありません。

C 孫の紹介で訪問美容を実施している美容師がいます。お金はもちろん祖 父母が支払います。孫は紹介者です。おじいちゃん、おばあちゃんが体調不良で家から出られない等の場合の、孫からの心のプレゼントなのです。また、義父母の介護をしているお嫁さんにとっては、天の助けになること請け合いです。専門にしている美容師もおり、ホームヘルパー2級の資格も取得しています。

D 家族で使えるファミリーカードも有効です。会員権システムを採用しているサロンも多いのですが個人限定で、家族で使えるケースは少ないようです。家族で使えるとポイントが早くたまり、楽しみが増えます。

3 親子で利用できるメニューを考えましょう
A 最近は親子でデートが流行っています。親子のペアルックなども楽しまれています。「親子カラー」「親子パーマ」「親子カット」「親子セット」などの企画も可能です。

B 子どもから親への感謝を込めて母の日、父の日にプレゼントできるメニューを作っておきます。販売期間限定で「感謝券」は1年間有効で売り込むことが大切です。

C 育毛促進剤は妻から夫へプレゼントされたり、娘から父親にプレゼント されるとリピート率が高くなります。

D 子どもがサロンに連れてきた親はリピーターになりやすいので、子どもに紹介を依頼する。名前入りのスポーツタオルやかわいい小物入れ、ヘアブラシなどのオシャレセットなどさりげなく用意しておいて、子どもにお礼をすると良いでしょう。友だちの紹介も多くなります。

4 お客さまをもっと知りましょう
A 今は景気が悪いから買わないのではなく「買いたいものがないから買わない」のです。ですから「買いたいメニュー開発」が必要です。「どのくらい短くしますか」「何センチくらい切りましょうか」では、カットのお客さまから見放されて当たり前です。「あなたに似あうデザイン」が求められています。カットもそれがないと売れません。

B 総客数の売り上げ上位20%のお客さまで、売り上げの80%を確保しましょう。そのためには毎日、週3、2、1回。月2、1回は来店できるメニューを作る必要があります

C お客さまの「ご不満」「お困り」「お悩み」をじっくりうかがっていますか。カルテには毎回それが解決されたか書き込まれていますか。「今日はどうなさいますか?」ではなく「いつもカット(その他のメニューでも)されていて何かご不満はございませんか?」とうかがってください。きっと何かのご不満が見えてきます。その解決が美容師の仕事です。

D 新メニューを作ってください。商売の鉄則は「メニューにないものは売れない」です。ただ、メニュー表に書くだけでは、もちろん売れません。メニューの中身を説明して、お客さまに最適のオシャレを提案して喜んでいただくことが仕事です。「私は口べたで駄目です」という人がいますが、口べたOKです。お客さまに喜んでいただきたいという真心が相手に通じれば、口じょうずで調子のいいカルイ人より信頼されます。

E 経営者とスタッフの年代にあわせた無理のないお客さまをつかむこと。自分の年齢の下は5〜6歳、上は10〜20歳までといわれています。40づらしたオッサン美容師が「若者狙いだ」と言っていましたが、サロンは消えました。60代の1人サロンの美容師さんが「シャンプーが疲れる」と言っていましたから、エステサロンでやっている「リンパマッサージ系のヘッドスパにしたら」と提案しましたら、さっそく勉強に行き、2日間で覚え、今までのシャンプーの倍の価格でメニュー化しました。5〜6人施術しても疲れないし、お客さまの支持も得、30%も売り上げが伸びたそうです。

F 価格はお客さまの必要から出ます。キャリアによって料金が上るのは当 たり前です。自信を持って料金を設定してください。今のメニューの料金をいただくまで、どれだけ勉強に投資しましたか。ろくに投資もしていなければ安売りでも仕方がないですね。勉強してきたテキストや写真、資料をお客さまに見せていますか。

G 「心」が伝えられる努力をしましょう。清潔ですがすがしいヘアスタイルになっていますか。ヘアスタイルを売る美容師がツートンカラーだったり、真赤や、真黄色、枝毛だらけで毛先がビビっているパーマ毛だったりしたら、お客さまは夢も希望も持てません。髪を大事にする心、ヘアデザインを一緒に創ろうという心、あなたに一番にあうスタイルを探そうという心が伝えられるように、自分改革から始めましょう。

H お客さまを失望させないようにします。失望はリピートを阻害します。そのためには常に希望にそっているかの確認が必要です。お客さまが鏡の中で雑誌を読んでいるようでは駄目です。終始お客さまと一体で施術することです。繁盛している美容室はお客さまと一緒にヘアスタイルを創っています。

不況は心の問題、突破口は必ずある

 「たまたまサロン」から「わざわざサロン」へ脱皮してください。繁盛サロンほど遠方からのお客さまが多いようです。「わざわざ」来店する価値があるのでしょう。

 それはお客さまに「お似あいのヘアスタイルを創るこだわり」があるからだと思います。こだわりのカットに、それを活かすためのこだわりのパーマやカラー、髪を育成するためのこだわりの育毛ヘッドスパ、トリートメント。こだわりのフェイシャル、メイク—など。「わざわざサロン」に向けて全開で発進してみてはいかがでしょうか。

 不況は心の問題です。増収増益の企業があるからには、必ず突破口があります。

文/菊島延佶(オフィス キクシマ)

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