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なぜ、お客さまからパーマについてもっと聞かないのでしょうか

1から勉強し直しでパーマ倍増作戦を開始!

 昨年、ある美容室からパーマの売上を今の倍に伸ばしたいから、1年間指導して欲しいという依頼がありました。打ちあわせにうかがい驚きました。「1種類のパーマ剤でどんな髪にもあわせられる」と豪語したからです。

「そんな名人なら、何も教えられることはないので、頑張るだけ頑張ったら良いでしょう」とお断りしました。が、カット客、ヘアカラー客の減少で売上のベースをパーマに求めたいというので是非にとのことでした。「1から勉強し直します」の言葉で、今回のパーマ倍増作戦を開始しました。

作戦その1「お客さまからの声を聞く」

「パーマについてお客さまからの声を聞いていますか」の問に、オーナーはじめスタッフの誰も返事がありません。「ご不満」「お困り」「お悩み」を誰もお客さまからうかがっていなかったのです。パーマは、お客さまにとって洗ったり、ゆすいだり、引っ張って巻いたり、ロッドが重かったり、薬液がしみたりと、決して楽しいメニューではないのです。

 そこでまず、お客さまに「なぜパーマをかけないか」のアンケートを取って、意見を吸い上げました。特にパーマカルテのないお客さまの声から聞きだそうということにしました。200人の目標で半月かかってつかんだ結果が表の通りです。

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200人のお客さまに「3つのご不満」を上げてもらった。200人の内訳は20代・11人(5.5%)、
30代・34人(17.0%)、40代・46人(23.0%)、50代・54人(27.0%)、60代以上・55人(27.5%)。
うち、「前にパーマをかけたことがある」87人、「パーマに興味があるがかけていない」107人。「パーマにはまったく興味がない」6人。

 このアンケートは過去10数店で行いましたが、店舗の立地条件、地区の所得状況、経営者やスタッフの年齢構成、キャリアなどで異なりますから、参考例です。大事なことはご自分のお客さまの声をうかがうことです。

作戦その2「パーマメニューを作る」

 アンケート結果を基にパーマメニューを20ばかり作りました。その中で良く売れたメニューを8つだけ紹介します。この8つのメニューがパーマ客の80%に及びました。また、メニュー発表までに行った、教育のポイントも掲載します。

1.パーマをかけるだけ(シャンプー、カット、ブロー抜き)
 アンケートの第1位と第2位からこのメニューが作られました。ただ、美容師さんたちの意識を変えるのに時間がかりました。「カットしなくてどうして?」「どんなスタイルがお望みなの?」。そこをお客さまとの対話でなんとかするのが美容師でしょう。このメニュー3,000円(トリートメントサービス)が一番人気がありました。

 このサロンの最低パーマ料金・8,000円からシャンプー1,000円、カット+ブロー5,500円の代金を引いてみて下さい。パーマ代はいくら残りますか。1,500円です。「パーマ料金は高い」「パーマの中にしたくないメニューがある」とおっしゃる人たちに、お望み通りのメニューでお迎えすることができます。

2.形状記憶カット(カットの時に必要な部分に6〜7本だけロッド巻く)
 「カットの際に20分だけお時間をください。髪に動きを作ります。プラス千5百円です」。これが第2位の人気パーマ? 人気カットになりました。部分パーマですから美容師さんもすぐに実施できました。

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3.形状記憶パーマ(全体で15〜16本だけ巻く・1時間で終了)
 アップステムで巻くパーマです。ローラーセット感覚でヘアスタイルにあわせて、太めのロッドで巻きます。

4.内巻き、外巻きになるパーマ(10〜15本のロッドでかけます)

5.ふわっとボリュームのでるパーマ 3ヵ月間持ちます(30〜40本のロッドを使います。ボリュームパーマ)

6.臭いのしないソフトパーマ&毛染の方のトリートメントパーマ(サルファイト使用で、特に毛染の方に人気がありました)
 髪質転換パーマ(ばさつき髪、乾燥毛がしっとりするパーマ/システアミンのトリートメント効果を利用)

7.かけたら1カ月以内に元にもどせるパーマ(ウエーブパーマ、ストレートパーマ込み料金)
 特に春休みと夏休みに、学生(中、高校生)に人気がありました。
 これらのメニュー作りと教育に2カ月かかりました。

作戦その3「料金を変える」

 メニューは技術が簡単なもの、手間が掛かるものなどで料金を変え、担当美容師のキャリアによっても変えました。今まで手が空いているような美容師がワインディングをしていましたが、指名がある場合は担当者が巻くようになりました。ベテランがワインディングをするようになり、必要のないロッドは使いませんから、よりデザイン性の高いものになったと思います。

作戦その4「保証書を発行する」

「かけ直しのときに嫌な顔をされる」というクレームをなくすために、「1週間以内であれば、1回だけかけ直し自由」の保証書を発行しました。これが大成功でした。なぜかと言えば、「こんな美容室があるのよ」と、友達や家族に見せる人が意外に多く、新規開拓につながったのです。

作戦その5「お客さま全員にパーマを勧める」

 アンケートの第4位は「誰も勧めてくれない」です。特にベテラン美容師ほど、お客さまに勧めていないことが分かりました。この教育に一番時間がかかりました。全員にパーマを「お勧め」する。今ではこのサロンの合言葉です。特に、パーマに興味のある若いお客さまには効果的でした。

 以上、言葉の足りない部分も多いのですが「お客さまに喜ばれる」ことがサロン繁栄の第一条件です。「もっと真剣に、お客さまの声をうかがう」ことを今年のテーマにされると良いと思います。

 最後にアンケート結果を「オープンにしても良い」と許可して下さったサロンのオーナーさん、スタッフの皆さんに感謝します。

文/菊島延佶(オフィス キクシマ)

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