美容師が知っておきたい保険の話

第2回 各保険に入る為に必要な『加入要件』という条件

前回はサロンとして加入しなければならない国で定めた『公的保険』として、『労働保険』と『社会保険』の基礎知識についてお話ししました。
今回は、その公的な保険にスタッフ等が加入する時の条件、『加入要件』について、お話していきます。

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まず、第一にこの『公的保険』に、果たしてサロンとして加入する必要があるかどうかが問題になります。
『労働保険』については、スタッフが一人でもいれば加入する義務があります。また、オーナーは、原則加入できませんが、労働保険事務組合に加入すれば労災保険に加入することができます。

一方、個人事業の場合には、任意加入となりますので、スタッフが何人いたとしても強制されることはありません。もちろん、サロンで働くスタッフの一定数以上が希望していれば加入することができますが、個人事業の場合、オーナーは加入できませんのでご注意ください。 では、スタッフの加入要件を見ていきましょう。

最初に『労災保険』ですが、これはサロンで働くスタッフであれば全ての人が加入することになります。雇用契約さえ締結していれば働く初日に事故等が起これば対象になります。又、加入は無記名なので加入の手続きというのは特になく、『労働保険』に加入しているサロンで働けば当然に加入ということになります。

次に『雇用保険』は、次の2つの要件を満たすスタッフは加入する必要があります。

  • 1週間に働く時間が20時間以上であること。
    この判別はスタッフと結んだ労働条件を基に判断しますが、実際は残業時間等を含めた実労働時間で判別することが望ましいと言えます。
  • 31日以上の雇用見込みがあること。

要するに、あまりに少ない労働時間・雇用期間の場合は加入できません。

最後に社会保険『健康保険・厚生年金保険』です。
こちらの要件は、「1日または1週間の所定労働時間と、1ヵ月の所定労働日数が、同じサロンで同じような業務をしているスタッフのおおむね4分の3以上であること」です。特にパートタイマーとして働くスタッフがこの要件の問題になってきますが、分かりやすく言うと、通常スタッフの所定労働時間は週40時間ですので、そこから考えると、週の労働時間が30時間以上か未満かが加入の目安になると考えるといいと思います。

ただし、これらの要件を満たしていても個々の保険によって、加入できないケースもありますので、とても厄介です。この辺の細かな加入要件については後の機会にお話し致します。
次回からは、各保険に加入することによってどのようなメリットがあるのか、についてお話します。

次へ「第3回 労働保険(労災保険・雇用保険)加入で得られる、オーナーのメリット」>>

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著者プロフィール

税理士法人 西川会計 理美容事業部
社会保険労務士 福島 継志

大学卒業後、自動車販売の営業を6年半携わり、資格取得後、社会保険労務士に。
個々の美容室の実情に合わせた人事労務管理と助成金を主に手掛ける。「美容業界では人の問題が多数起こります。そんな問題の解決をお手伝いさせて頂きます。」

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